HANDLER
【ハンドラー中島氏】
刺繍会社に10年務めた後に独立。
偶然手に入れたハンドルミシンと共に、6年の歳月を費やして一から独学でその技術を習得し、
2016年に手ハンドルミシンでのチェーン刺繍を施すハンドラーとして、主にアパレルからの仕事を請け負う傍ら、自らの作品づくりを続けている。
ハンドラー中島氏にとっての刺繍は、一針一針に心がこもった温かみのある刺繍であり、現在主流のテクノロジーを駆使した刺繍技術とは対極に位置するものである。
その「人の手によって作られる刺繍」の技術を後世に残すべく、
自身の作品作り以外にも、新たに刺繍を始めたいという人がいてはアドバイスをしたり、
ワークショップを開くなどして、後身を育てる活動にも寄与している。
【手ハンドルミシン】
手ハンドルミシンとは、フランスのBONNAZ(ボナス)社が発明したミシンで、チェーンステッチやサガラ刺繍を施すミシン。テーブル下に据え付けられたハンドルを手で回すことによって針の進む方向を変え、絵を描くように刺繍が出来上がっていく。
(参照:https://americanhistory.si.edu/collections/search/object/nmah_1069833)
BONNAZ社自体は創業後すぐに事故で倒産する憂き目に遭い、当時のミシンは世界中に数台しか見つかっていない中、中島氏はそのうちの2台を所有しているという。
1867年製のその二台は今でも現役で稼働しているというから驚きだ。
その後、BONNAZ社から特許を受け継いだCORNELY(コーネリー社)が世界中に販路を広げ、その後アメリカのSINGER社、ドイツのLINTZ(リンツ社)も参入。
日本ではSINGER社の依頼を受けOEM生産を始めた大阪の奈良ミシン社が、後にTREASURE(トレジャー)という銘柄のミシンを販売する。
海外でもまだこれらの手ハンドルミシンが現役で稼働している工場もあるが、多くはジャガードミシンへ切り替わっており、中島氏はそういった工場の奥に眠っている手ハンドルミシンに再び命を吹き込む為に、東南アジアやトルコなど世界中を飛び回っている。
そうして群馬県桐生市にたどり着いたミシンによって、ロッキン・ジェリービーンスタジャンの刺繍が、
今日も一針一針、中島氏の手により縫われている。
リリースまで長らくお待たせいたしておりますが、間も無くお知らせできることと思います。
ご期待ください。